梅雨の合間の朝、廊下の板間に正座すると、苔の濡れた匂いがにわかに濃くなる。離れ形式の旅館に必ず備わる縁側は、いかにして季節を客室へ呼び込んできたか。岐阜・恵那と大分・由布院の二軒を例に、建築史と作法の両面から記す。