群馬県
囲いの高さという按配 — 客室露天が、隣室の視線と眼前の景のあいだに、なぜ塀の高さを選んできたか
客室露天の湯船を囲う塀の高さは、隣室の視線を隔てる壁であり、眼前の景を招く窓でもある。御宿The Earth・別邸仙寿庵・山荘無量塔の三軒に、開けと隔ての按配を見る。
上州伊香保、石段街に代を継ぐ名旅館四軒 — 初秋の坂に黄金の湯を戸口へ引く老舗の記
群馬・伊香保温泉の石段街で、創業五十年を越える名旅館四軒。含鉄の黄金の湯を源泉かけ流しで引き、木造建築と代替わりの物語を今に伝える老舗を、初秋の坂とともに紹介する。
上州法師、三国峠の麓に足元湧出の湯を継ぐ一軒 — 白露の渓に明治の湯宿建築を守る宿の記
群馬・みなかみ町、三国峠の麓に佇む足元湧出の一軒宿、法師温泉 長寿館。明治八年創業、本館・法師乃湯・別館の三棟が国登録有形文化財に連なる明治の湯宿を、湯と建築を主語に辿る。
上州草津、湯畑の源泉を戸口に継ぐ湯宿五軒 — 処暑の高原に自然湧出の酸性硫黄泉を汲む里
標高千二百の高原に、毎分三万二千リットルを噴かせる自然湧出の湯。白旗・湯畑・わたの湯、そして自家源泉——pH二台の酸性硫黄泉を戸口に継ぐ草津の老舗五軒を、集約評価とともに落ち着いて示す。
上州万座、標高千八百の硫黄泉を汲む湯宿五軒 — 空吹の噴気を望む処暑の高原に涼を汲む里
標高約1,800mの万座温泉に湧く白濁の硫黄泉。湯質と湧出量で選んだ湯宿五軒を、高原の涼と硫黄泉の作法とともに紹介する。
温泉文化という遺産 — ユネスコ審査を控えた湯の国が、宿の湯守に何を託してきたか
白露を迎えるころ、湯けむりは朝夕にはっきりと立ちはじめます。「温泉文化」はユネスコ無形文化遺産の提案候補に選ばれ、審議は令和十二年の暮れの見込み。その数年を湯守はどう過ごすのか。自然湧出と掛け流しを継ぐ三軒から考えます。
登録有形文化財に泊まる — 木造建築を今に伝える名旅館五軒
国の登録有形文化財に指定された木造の名旅館を、会津・山梨・城崎・花巻・みなかみから五軒。指定年・築年・客室数と継承の来歴とともに、泊まることが建築の保存につながる宿を紹介する。
内湯の湯口という結界 — 旅館の湯船に据えられた一つの吐水口が、なぜ湯場の作法を分けてきたか
白露の候、旅館の内湯に据えられた湯口という一点から湯場の作法を読み解くエッセイ。木樋の酸ヶ湯、石造の元禄の湯・積善館を訪ね、竹・銅・石・木の樋が生んだ結界と湯守の継承を辿る。
湯垢という時間 — 湯船の縁に積もる白い結晶が、なぜ湯の年輪を語ってきたか
寒の内の湯船の縁に積もる白い結晶——石灰華や湯の花という析出物を主題に、白骨・明礬・万座の名湯三軒を挿話的に訪ね、湯の年輪という視点で名湯文化を静かに綴る随筆。
上信吾妻、四万と沢渡の渓に湧く客室露天五軒 — 四万川と薬師の谷を映す夏の朝湯
盛夏の四万温泉、客室の湯舟から渓を見下ろせる宿五軒。元禄創業の積善館から料理宿の佳元、発祥の地のつるや、文豪ゆかりの四萬舘、全室露天の叶まで、湯の扱いと渓の景で選ぶ。