八瀬の釜風呂、瀬戸内の石風呂、東北のむし湯。湯を浴びずに身体を温める古い作法を、後生掛温泉と酸ケ湯温泉旅館の湯場に寄せて辿る随筆。
八甲田山西麓・標高約九〇〇m。寛永元年から続くと伝わる湯治場、酸ヶ湯温泉旅館。総ヒバ造り百六十畳のヒバ千人風呂、四源泉同居、国民保養温泉地第一号——湯と建物そのものを主語に据え、湯守が継いできたものを読み解く。