箱根の強羅と仙石原で、客室に露天風呂を備え、外輪山や早雲山を望む斜面へ湯船を差し掛ける宿を五軒選びました。白露を過ぎる頃、標高六百から七百メートルの谷には朝霧が這い、仙石原の芒が銀の穂を立て始めます。箱根の湯は、大涌谷の噴気を源とする酸性の白濁湯から、強羅に自ら湧く重曹泉まで、谷ひとつ隔てるだけで顔を変える。その多様さを、客室の湯船という最も近い距離で受け取れるのが、この二つの高台の強みと言えます。首都圏から二時間、夫婦で静かに湯に浸る秋口の一泊に向く五軒を、源泉名と泉質、客室数の公表に照らして選びました。

# 宿 エリア Score 客室 目安価格 1行特徴
1 強羅花扇 強羅 92 20 ¥104–¥138k 早雲山の旧旅館の源泉を継ぐ自家源泉、全室掛け流しの客室露天
2 金乃竹 仙石原 仙石原 90 9 ¥155–¥226k 標高700m、芒の原まで徒歩圏。源泉60.6℃の白濁湯を全室掛け流し
3 箱根湯宿 然 -ZEN- 仙石原 88 10 ¥92–¥110k 富士山・外輪山側/庭園側/森側に客室を振り分けた全室檜の半露天
4 きたの風茶寮 仙石原 86 10 ¥136–¥186k 竹林露天・地下露天・スカイテラス露天と湯船の型が一室ずつ違う
5 箱根 強羅 月の泉 強羅 82 9 ¥71–¥91k 中強羅の斜面に九室のみ。強羅温泉の客室露天を最も控えめな価格帯で
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※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。

1. 強羅花扇 — 箱根町強羅

早雲山に在った旅館の源泉を引き継ぎ、二十室すべてに掛け流しの露天を備えた強羅の一軒。

Media Picks Score: 92 / 100  20室、全室露天風呂付の旅館。

目安価格 ¥104,000–¥138,000 / 泊 (2名1室・通常期)


強羅花扇 — 箱根町強羅 · 全客室に備わる檜の源泉掛け流し露天風呂と斜面の樹林
PHOTO: 強羅花扇 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

湯が、この宿の来歴そのものを語ります。館が引くのは自家源泉で、かつて早雲山に在った温泉旅館「早雲閣」の源泉を受け継いだもの。箱根では珍しいとされる重曹泉で、赤みを帯びた湯は肌に触れるとなめらかに解ける。二十室すべてが露天風呂付で、準特別室では山側に面したデッキへ湯船を張り出しています。館内には飛騨の職人の手による木の調度が据えられ、小田原の鮮魚と箱根の野菜が、月替わりの献立となって食卓に並ぶ。湯・建物・食の三つが別々の産地から集められ、しかし一つの静けさに束ねられている点が、この宿の骨格と言えます。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、評価は湯の質と客室露天の使い勝手に厚く集まっています。掛け流しの湯が一日を通して同じ温度で保たれること、二十室という規模ゆえに館内で人と行き合わないこと、この二点への言及が特に安定している。食事は品数より素材の扱いを評価する声が優勢で、器と間の取り方に触れる感想も多い。一方、坂の多い立地と館へ至る傾斜の強い進入路については、車で訪れる場合の注意を促す傾向が見て取れます。総じて、静けさと湯を第一に置く旅程で評価が高く安定する一軒です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    夫婦・二人旅で湯を主目的に据える旅程、大浴場と客室露天を両方使い分けたい人、和の調度と木の設えを好む人
  • 向かない:
    小さな子ども連れの家族(客室タイプにより年齢制限あり)、車高の低い車で訪れる旅程(進入路の傾斜が強い)、観光を詰めて宿に戻る時間が短い旅

具体情報

  • 最寄り駅: 箱根登山鉄道 強羅駅(館から強羅駅方面への送りあり、事前連絡制)/早雲山駅からのアクセス案内も公式に掲載
  • 客室: 全20室、すべて露天風呂付。広さ36㎡〜82㎡(特別室含む)
  • チェックイン: 15:00〜18:00 / アウト 〜11:00
  • 湯: 自家源泉。重曹泉(旧「早雲閣」の源泉を引湯)。大浴場「早雲隠れ里の湯」に露天風呂二つ
  • 食事: 箱根の野菜、小田原の鮮魚を用いた月替わりの会席
  • 開業: 2009年


2. 金乃竹 仙石原 — 箱根町仙石原

標高七百メートル、芒の原まで歩ける高台に九室。大涌谷の白濁湯を全室で掛け流す宿。

Media Picks Score: 90 / 100  9室、全室露天風呂付の旅館。

目安価格 ¥155,000–¥226,000 / 泊 (2名1室・通常期)


金乃竹 仙石原 — 箱根町仙石原 · 竹の意匠の客室から露天のデッキへ開く仙石原の樹林
PHOTO: 金乃竹 仙石原 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

竹取物語を意匠の軸に据えた宿で、館内は竹の縦格子と間接光で構成されています。ただし本記事が推す理由は意匠ではなく、湯と立地の関係にあります。源泉は大涌谷温泉、酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉で、源泉温度は60.6℃、浴槽では41〜42℃に調えられる。湯船の底には湯の花が沈み、身を沈めるとふわりと舞い上がります。この白濁湯を九室すべての客室露天で掛け流しにしている点が第一の骨格。第二に、標高七百メートルという高さ。そして第三に、「かながわの景勝50選」に選ばれた仙石原のすすき草原が徒歩圏にあること。白露から秋分にかけて、朝湯のあと芒の原まで歩ける宿は、箱根でも限られます。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、白濁湯そのものへの評価が突出しています。湯の花の沈殿や湯色の変化といった、源泉掛け流しゆえの日ごとの揺らぎを肯定的に受け取る傾向が明確で、湯温の管理への言及も安定的。九室という規模から、館内での静けさとプライバシーを評価する声が続きます。食事は品数を抑えて素材を立てる構成が支持される一方、量を求める向きには物足りないという分岐も見られる。価格帯は本記事の五軒で最も高く、評価もその前提を織り込んだうえで安定している印象です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    白濁の酸性泉を客室で長く楽しみたい人、記念の一泊に予算を集中させる夫婦旅、朝に芒の原を歩く旅程を組む人
  • 向かない:
    価格を抑えたい旅程(本記事の五軒で最も高い価格帯)、量の多い食事を望む人、酸性泉が肌に合わない人や銀製品を身につける旅

具体情報

  • アクセス: 箱根湯本駅から箱根登山バス「桃源台行き」で約30分、「台ヶ岳」下車 徒歩約3分
  • 客室: 全9室、全室露天風呂付(意匠の異なる9タイプ)
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00
  • 湯: 源泉名 大涌谷温泉/酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉/源泉60.6℃、浴槽41〜42℃/全室源泉掛け流し
  • 立地: 標高約700m。「かながわの景勝50選」仙石原すすき草原まで徒歩圏
  • 開業: 2005年


3. 箱根湯宿 然 -ZEN- — 箱根町仙石原

富士山・外輪山側、庭園側、森側に客室を振り分けた十室。全室に檜の半露天を据える仙石原の宿。

Media Picks Score: 88 / 100  10室(和洋室4・洋室6)、全室半露天風呂付の旅館。

目安価格 ¥92,000–¥110,000 / 泊 (2名1室・通常期)


箱根湯宿 然 -ZEN- — 箱根町仙石原 · 檜の客室半露天風呂と窓外に開く外輪山の稜線
PHOTO: 箱根湯宿 然 -ZEN- — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

十室しかない宿が、客室を「富士山・外輪山側」「庭園側」「森側」の三系統に分けて案内している点に、この宿の姿勢が表れています。眺望のある部屋とない部屋を曖昧にせず、森側については山を望めない旨を公式に明記したうえで、畳の広さで応える。読み手に対して誠実な区分けと言えます。湯は大涌谷温泉、酸性-カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉を掛け流し。浴槽はいずれも檜で、香りの立ち方が湯の印象を大きく左右します。外輪山側の半露天では、朝、稜線の向こうが白み始める時刻に湯を使うのが最も贅沢な過ごし方。本記事の五軒のなかで、眺望と価格の釣り合いが最も取りやすい一軒です。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、檜浴槽の香りと湯の柔らかさへの評価が中心を占めます。半露天という形式が、風の強い高原で年間を通して使いやすいという趣旨の言及も安定的。空気の澄んだ日に富士山が見えるかどうかは天候次第という前提が共有されており、見えた日の満足度が高く出る一方、見えない日でも森の景色で納得を得る傾向が読み取れます。食事は個室で供される点への評価が厚い。十室という規模ゆえの静けさと、価格帯に対する納得感の高さが、この宿の評価を支えています。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    眺望と価格の釣り合いを重んじる夫婦旅、檜の湯船を好む人、風の強い季節にも客室の湯を長く使いたい人
  • 向かない:
    完全な露天(屋根や囲いのない湯船)を求める人、富士山の眺望を確約したい旅程(天候と部屋タイプに左右される)、大浴場で長く過ごしたい人

具体情報

  • 所在: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1245-96
  • 客室: 全10室(和洋室4室/洋室6室)。全室に檜の半露天風呂
  • 客室の眺望区分: 富士山・外輪山側/庭園側/森側の三系統で公式に案内
  • 湯: 源泉名 大涌谷温泉/酸性-カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉/掛け流し
  • 食事: 個室での供食


4. きたの風茶寮 — 箱根町仙石原

竹林露天、地下露天、スカイテラス露天。十室すべてで湯船の据え方が異なる大人限定の宿。

Media Picks Score: 86 / 100  10室、全室露天風呂または展望風呂付の旅館。

目安価格 ¥136,000–¥186,000 / 泊 (2名1室・通常期)


きたの風茶寮 — 箱根町仙石原 · 竹林に面した客室露天風呂のテラスと孟宗竹の列
PHOTO: きたの風茶寮 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

十室の宿でありながら、湯船の据え方を一室ずつ変えている点が際立ちます。「ななかまど」「らいらっく」は居室と地下露天を水盤が隔てる二層構造。「すずらん」「はまなす」は竹林に臨む露天。「みずばしょう」は約93.98㎡にバルコニー露天とサウナを備え、「しおん」は44.01㎡のスカイテラスに湯船を置く。八室が露天、二室が天候に左右されない展望風呂という構成で、湯はいずれも大涌谷温泉の硫酸塩・塩化物泉、やや白濁した柔らかい湯を掛け流しにしています。十二歳以下は宿泊できない大人限定の運営で、館内の静けさは客層の設定によって担保されている。部屋選びが滞在の質を大きく左右する、選ぶ楽しみのある一軒です。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、客室ごとの個性への言及が突出して多く、次回は別の部屋をという趣旨の再訪意向が繰り返し現れます。大人限定という運営方針が館内の静けさに直結している点への評価も安定的。湯については白濁の柔らかさと掛け流しの温度管理が支持されています。食事は季節の会席で、盛り付けと器への言及が目立つ。一方、部屋タイプによって広さと湯船の形式が大きく異なるため、予約時の確認を促す傾向が読み取れます。価格帯は上位ですが、客室の作り込みがその根拠として受け止められている印象です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    部屋ごとの設えを選ぶ楽しみを求める人、大人だけの静かな滞在を望む夫婦・友人連れ、バス停から歩いてすぐの立地を重んじる旅
  • 向かない:
    子ども連れの家族(12歳以下は宿泊不可)、どの部屋でも同じ体験を期待する人、屋外の露天を確実に望む旅程(2室は展望風呂)

具体情報

  • 最寄りバス停: 「仙郷楼前」下車 徒歩1分(小田原駅から箱根登山バス「桃源台行き」)/御殿場ICから車で約20分
  • 客室: 全10室。露天風呂付8室・展望風呂付2室。広さ37.60㎡〜93.98㎡
  • 湯: 源泉 大涌谷温泉/硫酸塩・塩化物温泉/やや白濁/全室源泉掛け流し。貸切露天風呂あり
  • 年齢制限: 12歳以下は宿泊不可(大人限定)
  • 駐車場: 13台(無料・屋外平地型)
  • 開業: 2011年


5. 箱根 強羅 月の泉 — 箱根町強羅

中強羅の斜面に九室のみ。強羅で客室露天を最も控えめな価格帯から選べる一軒。

Media Picks Score: 82 / 100  9室、全室露天風呂付の旅館。

目安価格 ¥71,000–¥91,000 / 泊 (2名1室・通常期)


箱根 強羅 月の泉 — 箱根町強羅 · 斜面の樹林へ張り出した客室露天風呂の湯船
PHOTO: 箱根 強羅 月の泉 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

九室すべてが専用の露天風呂付という構成を、本記事の五軒で最も抑えた価格帯で保っている点が、この宿を選んだ理由です。中強羅の斜面に建ち、湯船は樹林へ向けて据えられている。洋室はテラスの露天が館内で最も広く取られ、特別和洋室はリビングを伴う露天を、和室二タイプは露天岩風呂または大きな専用露天を備える。館内には男女別の内湯があり、客室の湯と使い分けができます。送迎を行わない代わりに、中強羅駅から徒歩約五分という距離で成立させている点も、規模に見合った運営と言えます。客室数が少ないからこそ可能な手数を、価格に転嫁しすぎない。強羅で客室露天を初めて試す旅程の入口として、堅実な一軒です。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、価格に対する客室露天の満足度という軸で評価が集まっています。湯を好きな時間に何度でも使えるという客室露天の本義が、この価格帯で成立している点への言及が中心。九室という規模ゆえの静けさ、創作料理への評価が続きます。一方、本記事の他の四軒と比べると設備の新しさや館内の広がりでは見劣りするという趣旨の分岐も見られ、評価の幅は相対的に大きい。中強羅駅からの徒歩五分は坂道を含むため、荷物の多い旅程では注意が要ります。期待値を価格に合わせて置いたとき、満足度が安定する宿です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    客室露天を予算を抑えて体験したい人、鉄道で訪れる旅程(中強羅駅から徒歩圏)、客室の湯と内湯を使い分けたい人
  • 向かない:
    新しい設備や広い共用空間を重んじる人、送迎を前提とする旅程(送迎なし)、荷物が多く坂道の徒歩移動を避けたい旅

具体情報

  • 最寄り駅: 箱根登山ケーブルカー 中強羅駅から徒歩約5分(送迎なし。強羅駅からタクシー利用も可)
  • 客室: 全9室、すべて露天風呂付(特別和洋室/洋室/和室+寝室2F/和室+寝室1F)
  • チェックイン: 15:00(最終17:30)/ アウト 〜11:00
  • 湯: 強羅温泉。客室露天のほか、男女別の内湯を備える
  • 食事: 夕食・朝食ともに館内の食事処で創作料理
  • 駐車場: 無料


よくある質問

Q. 強羅と仙石原では、湯にどのような違いがありますか?

A. 大きく二系統に分かれます。仙石原側の宿の多くは大涌谷から引く酸性の硫酸塩・塩化物泉で、やや白濁し、湯の花が沈むのが特徴。本記事では金乃竹 仙石原、箱根湯宿 然、きたの風茶寮がこの系統にあたります。一方、強羅には自ら湧く湯があり、強羅花扇は赤みを帯びた重曹泉を自家源泉から引いています。白濁湯と重曹泉では肌当たりも湯上がりの感触も異なるため、二泊するなら谷を変えて泊まる組み方が面白いと言えます。

Q. 白露の頃に訪れる利点はどこにありますか?

A. 二つあります。ひとつは朝の冷気で、標高六百から七百メートルの高台では九月上旬でも早朝の気温が下がり、客室露天の湯気が立ちます。夏場の朝湯とは体感がまったく変わる時期です。もうひとつは仙石原のすすき草原で、白露から秋分にかけて穂が銀色に変わり始め、十月下旬にかけて金色へ傾いていく。銀の穂の時期は人出が紅葉最盛期ほど集中しないため、朝湯のあと静かに歩けます。

Q. 予約はどのくらい前から動くとよいですか?

A. 本記事の五軒はいずれも九室から二十室という小規模で、週末と連休は早く埋まります。秋の行楽期にあたる九月下旬から十一月にかけての土曜は、三か月前を目安に動くのが堅実です。平日であれば直前でも部屋が残ることがありますが、客室露天は部屋タイプによって湯船の形式と眺望が大きく異なるため、部屋を指定したい場合は早めの手配が要ります。

Q. 子ども連れでも泊まれますか?

A. 宿によって方針が分かれます。きたの風茶寮は十二歳以下の宿泊ができない大人限定の運営です。強羅花扇も客室タイプにより年齢の制限が設けられています。金乃竹 仙石原、箱根湯宿 然、箱根 強羅 月の泉は、いずれも大人の静かな滞在を前提とした設えの宿にあたります。家族での旅を考える場合は、宿泊人数と年齢の条件を各宿の公式サイトで確認したうえで手配するのが確実です。

Q. 車と鉄道、どちらで訪れるのが向きますか?

A. 強羅の二軒は箱根登山鉄道・ケーブルカーの駅から徒歩圏または送りがあり、鉄道が使えます。仙石原の三軒はバス停から近く、小田原駅や箱根湯本駅からの路線バス、新宿・羽田からの高速バスでも到達できます。車の場合、強羅は斜面に細い坂道が多く、宿によっては進入路の傾斜が強い点に留意が要ります。湯を目的に一泊するなら、坂を歩かずに済む鉄道とバスの組み合わせが穏当です。

本記事の参考情報

箱根町観光協会 — 仙石原温泉 — 仙石原の湯と周辺の観光情報
箱根強羅温泉旅館組合 — 強羅温泉の宿と地域の情報
Wikipedia: 仙石原 — 仙石原の地理・すすき草原の背景

編集部から

五軒に通底するのは、平地に大きな湯殿を構えるのではなく、斜面という与件をそのまま受け入れて一室ずつ湯船を掛けるという選択です。強羅が別荘地として拓かれ、仙石原が芒の原とともに人の手で保たれてきた土地であることを思えば、この様式は箱根の高台が自ら選び取った答えなのだと分かります。湯は谷ごとに違い、価格は一泊七万円台から二十万円台まで開きがある。それでも朝、湯気が斜面の樹林へ吸われていく時間の質だけは、どの宿でも等しく訪れます。白露から秋分へ、芒が銀から金へ移るまでの一月あまり。次の一泊を、どちらの谷の湯で過ごしますか。

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