鹿児島県
薩摩指宿、錦江湾の渚に砂むしの熱砂を継ぐ湯宿五軒 — 天然蒸し湯の作法を守る里の湯
指宿の砂むし温泉は錦江湾の渚に湧く高温泉が砂を温める天然蒸し湯。三百年の湯治文化を継ぐ五軒——別邸 天降る丘、いぶすき秀水園、吟松、悠離庵、指宿白水館を、湯を主語に紹介する。
露天に蛍が降る夜 — 客室の湯舟が、源氏蛍の光をどう招き入れてきたか
水無月の夜、渓に舞う源氏蛍と、里の湯を育む伏流水は、同じ地下水脈から生まれる。狩野川源流の湯ヶ島「arcana izu」と、天降川の畔に立つ霧島「妙見石原荘」の二軒を例に、客室露天の湯舟が蛍の光をどう招き入れてきたかを、湯守と川守の作法として綴る随筆。
内湯の湯口という結界 ― 竹樋・銅樋・石樋・木樋、旅館の湯場に受け継がれた四つの意匠
白露の候、旅館の湯船に据えられた一つの吐水口が、なぜ湯場の作法を分けてきたか。竹樋・銅樋・石樋・木樋の四種と、湯口を跨いではならないという古い作法。妙見石原荘と積善館本館を実例に湯口という結界を辿るエッセイ。
夏の献立に、なぜ氷が立つのか — 旅館の料理長が涼を盛りつけてきた作法について
盛夏の夕餉に旅館の料理長が立てる氷盤。鱧の落とし、青楓を散らした向附、冷やし鉢——夏の二十数日のためだけに組み立てられる懐石の作法を、五軒の旅館の献立から静かに辿る。
鹿児島妙見と新川渓谷、天降川沿いに湧く客室露天五軒 — 内陸の渓に夏霧を映す湯
盛夏の薩摩内陸、霧島山の伏流を集めた天降川沿いに、客室露天で湯を独占できる五軒。妙見温泉郷と新川渓谷温泉郷を編む。
薩摩から大隅、客室露天で迎える夏至前の二泊三日 — 指宿の砂蒸しから根占の海岸湯まで
指宿の砂蒸しから根占の海岸湯まで、客室露天で過ごす夏至前の二泊三日。錦江湾をフェリーで渡り、薩摩と大隅をひと続きの湯の旅として三軒で編んだ行程。
砂を被るという作法 — 砂蒸しと砂湯が、いかに湯場の身体技法を継いできたか
盛夏の海辺の湯場に残る、砂を被るという作法。指宿摺ヶ浜の天然砂蒸しと別府浜脇の砂湯が継いできた湯治の身体技法を、温度と所要時間という数値で辿る一篇。指宿白水館・吟松の二軒を参照。
膳に山と海を一度に置く宿 — 旅館の献立が、なぜ土地の地形を写してきたか
盛夏の夕餉、山あいの宿が海の一尾を、海辺の宿が里の一菜を膳へ呼び込む。献立がなぜ土地の地形を写してきたかを、創業の古い三軒の作法を辿りながら綴るエッセイ。
霧島温泉郷、新湯から林田・硫黄谷へ — 高千穂峰南麓の硫黄泉を継ぐ湯宿五軒
盛夏の硫黄谷に白い噴気が立ち上る。霧島温泉郷の九つの湯場から、硫黄谷・林田・湯之谷の代表 5 軒を泉質と歴史の継承とともに描く。
屋久と種子、九州最南の離れに二泊する夏至前 — 縄文杉の島と火の島を辿る三日間
屋久島と種子島、隣り合う二つの島を二泊で巡る。世界遺産林に隣るヴィラ、永田いなか浜の古民家、西之表の丘の一棟貸し。夏至前の島旅、三日間プラン。