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三河湾蒲郡、西浦と形原の岬に大あさりと車海老を膳に待つ食通宿五軒 — 処暑の内海に走りの秋味を継ぐ宿
処暑の三河湾、蒲郡の西浦・形原の岬に大あさりと車海老を膳の主役に据える食通宿を五軒。名古屋から一時間半、産地の近い魚介と三河湾を望む湯を、湾の地図とともに訪ねる。
常陸奥久慈、袋田の滝の里に軍鶏と常陸秋そばを膳に待つ食通宿四軒 — 白露の渓に新そばの走りを継ぐ宿
白露のころ、久慈川の支流をさかのぼると新そばの刈り入れが近づく。奥久慈しゃもと常陸秋そばを膳の主役に据える、袋田の滝の里の食通宿を四軒選んだ。
上州伊香保、石段街に代を継ぐ名旅館四軒 — 初秋の坂に黄金の湯を戸口へ引く老舗の記
群馬・伊香保温泉の石段街で、創業五十年を越える名旅館四軒。含鉄の黄金の湯を源泉かけ流しで引き、木造建築と代替わりの物語を今に伝える老舗を、初秋の坂とともに紹介する。
豊後別府鉄輪、地獄蒸しの湯けむりに貸間の作法を継ぐ一軒 — 初秋の温泉郷に自炊湯治の系譜を守る宿の記
別府八湯・鉄輪に残る「入湯貸間」の一軒、陽光荘。全室和室二十七室と地獄釜二十七基を備え、食事を出さずに台所を差し出す自炊湯治の宿を、泉質と滞在様式の来歴とともに深掘りする。
風鈴という音 — 旅館の軒に吊るされた一つのガラスが、なぜ夏の涼を耳から運んできたか
盛夏の軒先に吊るされた一つのガラスが、なぜ涼を運ぶのか。南部風鈴の音風景と数寄屋・夏座敷の設えから、京と南部の名旅館を辿る随想。
豊後長湯、芹川の谷に日本屈指の炭酸泉を汲む一軒 — 処暑の高原に湯治の泡を継ぐ湯宿の記
大正6年創業、芹川のほとりに湯治の作法を継ぐ長湯温泉・大丸旅館。世界屈指の炭酸泉と外湯ラムネ温泉館、源泉粥の朝を、湯と建物を主語に一軒の歴史として辿る。
別府北浜と上人ヶ浜、別府湾の朝日を客室露天に映す四軒 — 盛夏の凪に湯けむりと海を重ねる湯宿
大分県別府市の海側、北浜と上人ヶ浜から別府湾を望む客室露天の湯宿を4軒厳選。海抜0mの大浴場を持つ潮騒の宿 晴海、90㎡超の離れのガハマテラス、自家源泉二本の望海、天空湯房の清海荘。
土用の丑、鰻を主役に据える食通宿五軒 — 一色から柳川、宍道湖まで蒲焼の煙を継ぐ膳
土用の丑に向け、鰻を主役に据える食通宿を産地別に五軒。宍道湖の天然もの、柳川のせいろ蒸し、浜名湖の地焼き、三河一色の炭火を、創業と料理の来歴、集約評価とともに紹介する。
音更十勝川、植物性のモール泉を継ぐ湯宿五軒 — 立秋前の日高山脈を望む琥珀の湯
立秋前の北海道、琥珀色に澄むモール泉。太古の植物が生んだ植物性温泉を継ぐ音更・十勝川温泉の湯宿五軒を、源泉かけ流しの実力宿から全室露天の新しい宿まで、地図とともに辿る。
酢の物という涼 — 旅館の夏の膳が、なぜ一鉢の酸味に暑気払いを託してきたか
土用の頃、旅館の夏の膳に差される一鉢の酸味。鱧の梅肉和えや土佐酢のもずくに、和食が暑気払いを託してきた理由を、京都・北陸・山陰の食通宿三軒の献立から辿る随想。
出羽三山羽黒山、山伏の宿坊に精進の膳を継ぐ一軒 — 盛夏の花供峰入りに杉木立の斎館を守る宿の記
羽黒山参道三の坂上、旧華蔵院の系譜を引く参籠所「斎館」。元禄十年再建、山伏の住まいを今に伝える唯一の遺構で供される出羽三山伝来の精進料理を、建物と食の来歴から辿る一軒の記。
蔦・酸ヶ湯・後生掛、奥羽の湯治場を二泊三日で辿る — 盛夏の八甲田から八幡平へ蒸気と白濁の湯を継ぐ旅
盛夏の高地に涼を求め、十和田の蔦温泉から八甲田の酸ヶ湯、峠を越えて八幡平の後生掛へ。奥羽の背骨をなす三つの湯治場を、標高と泉質の違いに即して二泊三日で辿る道行き。