石川県
酢の物という涼 — 旅館の夏の膳が、なぜ一鉢の酸味に暑気払いを託してきたか
土用の頃、旅館の夏の膳に差される一鉢の酸味。鱧の梅肉和えや土佐酢のもずくに、和食が暑気払いを託してきた理由を、京都・北陸・山陰の食通宿三軒の献立から辿る随想。
加賀山代、古総湯の門前に九谷と魯山人を継ぐ一軒 — 開湯千三百年の湯町に代を継ぐ料亭旅館の記
山代温泉の古総湯の正面、湯の曲輪の中心で十八代続く料亭旅館「あらや滔々庵」。北大路魯山人が寓居した地で、九谷焼の器と加賀懐石を継ぐ一軒を、器と食に眼のある夫婦旅の宿として編集部が深く描く。
梅雨明けの鶴仙渓に川面を映して — 山中温泉「花紫」、山田屋から続く全室リバービューの一軒
梅雨明けの鶴仙渓の畔、菊の湯の門前に立つ山中温泉「花紫」。明治創業の山田屋を継ぐ二十七室の宿を、全室リバービューの眺めと加賀懐石、湯の系譜から一軒だけ深く読む。
旬という約束 — 旅館の献立が、なぜ走り・盛り・名残の三段で季節を語ってきたか
立秋を境に、旅館の膳は夏の名残と秋の走りが同居する。走り・盛り・名残という日本料理の時間意識が、旅館の夕餉にいかに組み込まれてきたかを、信州扉温泉 明神館と加賀山代あらや滔々庵の二軒に例を採りつつ、静かに辿る随筆。
加賀温泉郷、山中・山代・粟津に代を継ぐ名旅館四軒 — 開湯千三百年の谷に灯る老舗の今
行基の発見と芭蕉の逗留に始まる加賀温泉郷。山中・山代・粟津の三湯から、創業五十年を越えて代を継ぐ名旅館を四軒、地図とともに編む。
加賀山中から白山麓へ、夏の鮎と白山菊酒を辿る二泊三日 — 北陸内陸に料理長を継ぐ食通宿の旅
梅雨明けの加賀・山中温泉から白山麓・白峰へ。鶴仙渓の鮎、白山一里野の岩魚と山菜、堅豆腐と栃餅、白山菊酒。料理長が土地に根を張る内陸の食通宿二軒を、二泊三日の行程で辿る。
山中温泉、菊の湯の門前に十三代を継ぐ一軒 — 江戸初期から鶴仙渓の畔に灯る宿の記
加賀・山中温泉、菊の湯の門前から鶴仙渓の谷筋を登った先に建つ全十室の名旅館「かよう亭」。山中温泉の湯質と加賀の会席、山中漆器・九谷焼の器、そして数寄屋造りの静けさを、盛夏の川床の季節に訪ねる deep-dive の一冊。
加賀片山津、柴山潟の水面に湯を張り出す客室露天三軒 — 白山を映す潟の朝湯と昼夜で色を変える湖
柴山潟の湖底から湧く塩化物泉を客室露天に引く三軒。明治二十五年創業の湖畔の宿 森本、客室露天の型が多彩な季がさね、元湯を汲む かのや光楽苑。盛夏の朝湯と夕湯を軸に、湯量と湖への向きから片山津温泉を読み解く。
加賀片山津、柴山潟の水面に湯を張り出す客室露天五軒 — 白山を映す潟の朝湯と昼夜で色を変える湖
加賀市片山津温泉、柴山潟の湖畔に客室露天を張り出す湯宿を五軒。湖底から湧く塩化物泉と、白山を映す水面を主軸に、老舗継承と湯量、潟への向きから選定した。
山中温泉、菊の湯の門前に八百年を継ぐ一軒 — 鶴仙渓の畔に灯る白鷺湯 たわらやの記
梅雨明けの加賀、鶴仙渓の瀬音が涼を運ぶ山中温泉の中心。総湯「菊の湯」の門前に八百年続く老舗、白鷺湯 たわらや。湯本十二軒で唯一現存と伝わる湯宿の、自家源泉と加賀会席の記。