新米と走りの茸が同じ日に厨房へ届く味覚の秋、料理長の系譜を公の記録でたどれる食通宿として、全国から五軒を選んだ。名の通った宿の厨房は、ひとりの腕で支えられているわけではない。初代の板前長が考えた一椀を後任が受け継ぎ、先代の手ほどきを受けた者が代を継ぎ、あるいは技能の全国大会や国の表彰が世代をまたいで積み上がっていく。今回は、その継承の跡が宿の公式な記録として確かめられることを条件に、指宿から箱根まで、地域の重ならない五軒を並べた。
| # | 宿 | エリア | Score | 客室 | 目安価格 | 継承の記録 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | いぶすき秀水園 | 鹿児島・指宿温泉 | 93 | 46 | ¥66–¥88k | 昭和52年就任の料理長が礎を築き、料理部門一位を四十年連ねる |
| 2 | 佳泉郷 井づつや | 兵庫・湯村温泉 | 92 | 97 | ¥48–¥77k | 父も料理人。2000年就任、現代の名工と日本料理指南役 |
| 3 | 皆美館 | 島根・松江 | 91 | 19 | ¥73–¥97k | 初代板前長の鯛めしを家伝として伝承、前料理長から代替わり |
| 4 | 吉池旅館 | 神奈川・箱根湯本 | 88 | 64 | ¥59–¥97k | 和食料理長が「調理業務功労者」として厚生労働大臣表彰 |
| 5 | 華の湯 紅梅亭 | 香川・こんぴら温泉郷 | 87 | — | ¥60–¥88k | 有馬の重鎮に師事し2003年就任、現代の名工と黄綬褒章 |
※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。一泊二名利用時の一室あたり料金(税込)です。宿の沿革・受賞歴・客室数は各館の公式サイトの記載に拠りました。
1. いぶすき秀水園 — 鹿児島・指宿温泉
昭和五十二年に就いた料理長が礎を築き、その味を継いだ厨房が料理部門の一位を四十年連ねる四十六室。
Media Picks Score: 93 / 100 46室、純和風旅館。
目安価格 ¥66,000–¥88,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
この宿の年表は、料理長の名前を歴史の節目として記している。昭和三十八年八月、焼酎蔵元「喜楽酒造」を営んでいた湯通堂保が蔵元の別荘を改め、客室八室の旅館「喜楽」として創業。昭和四十四年に本館を建てて屋号を「ホテル秀水園」と改めた。転機は昭和五十二年、石井正治(現・顧問)の料理長就任である。公式の沿革はこの就任を「今日の秀水園の味を広めることとなった」と位置づけ、その八年後、昭和六十年一月の第十回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」料理部門で初の一位を得たと記す。以来、一位の記録は途切れず、公式サイトは現在「四十年連続一位」と掲げる。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、この宿への評価は食が牽引している。献立の品数と器の使い分け、供する順の間合いに触れる声が厚く、夕食も朝食も客室または個室食事処で摂る運びが、静かに食べたい層の評価を押し上げている。一方で建物は昭和期からの増改築を重ねた構成で、意匠の新しさを第一に求める向きとは相性が分かれる。湯は指宿の海辺らしい塩の温もりが伝わるが、この宿を選ぶ動機はやはり膳にある、と読み取れる。
向く人 / 向かない人
-
向く:
献立そのものを旅の目的に据える夫婦旅、人目を気にせず客室や個室で食べたい高齢の同行者がいる旅、薩摩黒豚やきびなごなど土地の素材を順に味わいたい人 -
向かない:
新築同様の意匠や大型スパを求める旅、夕食を外の店で摂る予定の旅程、指宿観光を詰め込んで宿に戻る時間が短い行程
具体情報
- 最寄り駅: JR指宿駅から無料送迎バス(要予約・定時便。迎え14:20〜17:20、送り7:50〜10:30)
- 客室: 総客室46室(特別室4・和洋室3・和室二間13・和室26)
- チェックイン: 14:00〜 / アウト 〜10:30
- 食事: 夕食・朝食ともに客室または個室食事処
- 創業: 1963年(昭和38年)8月、客室八室の旅館「喜楽」として
- 厨房の記録: 1977年 石井正治が料理長就任(現・顧問)/1985年1月 第10回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」料理部門 初の一位
2. 佳泉郷 井づつや — 兵庫・湯村温泉
父も料理人だった総料理長が二十六年厨房を預かり、後継者の育成で現代の名工に選ばれた但馬の一軒。
Media Picks Score: 92 / 100 97室、大型和風旅館。
目安価格 ¥48,000–¥77,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
荒湯の湯けむりが立つ谷あいに、江戸時代初期に湯治場の宿屋として開いた宿がある。公式の沿革はそこから昭和二十八年の会社設立、昭和三十二年の新館開業、昭和五十七年と平成六年の皇室の宿泊までを一筋に記す。厨房を預かるのは総料理長・井上明彦。熊本県の出身で、父・正雄が料理人であったことから高校卒業後、十八歳で料理の道へ入り、大阪や仙台で経験を重ねて二〇〇〇年に総料理長へ就いた。二〇〇九年、第二十五回全国技能グランプリで優勝。翌二〇一〇年には、新たな技術の開発と後継者育成に貢献した者として厚生労働大臣から「現代の名工」の表彰を受けている。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、九十七室という規模を持ちながら、食の評価が落ちない点にこの宿の特徴が表れている。客の前で仕上げる「席前料理」への言及が目立ち、但馬牛と、十一月から三月末までの松葉蟹が評価の山をつくる。湯についても、自家源泉から九十八度の湯が毎分四百七十リットル湧き、全室の浴室と洗面所にまで温泉が引かれている点が支持を集める。一方、館内は宴会場やプールも備える総合型で、静寂だけを求める旅とは重心がずれる。
向く人 / 向かない人
-
向く:
冬の松葉蟹と但馬牛を目当てに但馬へ向かう旅、料理人の手つきを目の前で見たい人、三世代で部屋数と設備の余裕が要る旅 -
向かない:
十室前後の小さな宿の静けさを求める旅、館内の賑わいを避けたい一人旅、公共交通のみで身軽に動きたい行程(送迎は要予約)
具体情報
- 最寄り駅: JR江原駅から無料送迎バス(15:00発・所要約50分・三日前まで要予約)。鳥取駅からの送迎も要予約
- 客室: 97室・収容410名(一般和室48室、源泉温泉露天風呂付客室11室ほか)
- チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
- 食事: 但馬牛、松葉蟹(11月6日〜3月末)、荒湯豆腐、但馬高原鶏のじゃぶ煮。客の前で仕上げる席前料理
- 湯: 自家源泉98度・毎分470リットル。全室の浴室・洗面所にも温泉を給湯
- 厨房の記録: 2000年 井上明彦が総料理長就任/2009年 第25回全国技能グランプリ優勝/2010年 現代の名工/2013年 日本旅館協会「日本料理指南役」/2019年5月 黄綬褒章
3. 皆美館 — 島根・松江
初代板前長が考えた鯛めしを、代々の板場が家伝として受け継いできた宍道湖畔の十九室。
Media Picks Score: 91 / 100 19室、湖畔の小規模旅館。
目安価格 ¥73,000–¥97,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
明治二十一年五月、皆美家の当主・皆美清太郎が宍道湖畔の住居の二階三部屋を旅籠として開いたのが始まりである。この宿の名を全国に知らしめたのは、初代板前長・西村常太郎が仕立てた一椀だった。汁かけ飯を好んだ松江藩七代藩主・松平不昧公の嗜好を汲み、御殿料理として整えたのが「鯛めし」で、公式の記述はこれを「以来家伝料理として後進によって脈々と伝承され」と述べる。前菜に出る「鰻しゃくもどき」もまた初代板前長の考案と明記されている。現在の料理長・坂田博史は島根県安来市の出身。平成七年に県内大田市の旅館で修行を始め、平成十四年に入社して前料理長・佐藤治秀の指導を受け、令和六年に料理長へ就いた。継承の線が、人の名で追える。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、朝食への評価が突出して高いのがこの宿の特徴である。鰹の本節でとった出汁をかけて食べる家伝の鯛めしは、朝の膳の主役として扱われており、夕の会席で供されるのどぐろの煮付けや鱸の奉書焼きと並んで、松江という土地の記憶を膳に乗せている。十九室という規模ゆえ、静かさへの評価も安定して高い。一方、駅からの送迎はなく、湖畔の城下町という立地上、進入路が狭い旨を宿自身が案内している点は行程に織り込みたい。
向く人 / 向かない人
-
向く:
国宝松江城や小泉八雲旧居をゆっくり歩く旅、朝食を旅の主役に据える人、宍道湖の落日を部屋から眺めたい夫婦旅 -
向かない:
駅からの送迎を前提に組む旅程(送迎なし)、大浴場の広さを重視する人、大人数で同じ棟にまとまりたいグループ旅
具体情報
- 最寄り駅: JR松江駅からタクシーまたはバス(駅からの送迎は行っていない)
- 客室: 6タイプ19室。約61〜129㎡の特別室・別邸を含む
- 食事: 夕食は会席(のどぐろの煮付け、鱸の奉書焼き、大和蜆のしじみ椀ほか)/朝食に家伝「鯛めし」
- 湯: 松江しんじ湖温泉を引く共用浴場(檜)
- 創業: 1888年(明治21年)5月
- 厨房の記録: 初代板前長・西村常太郎が「鯛めし」「鰻しゃくもどき」を考案/現料理長・坂田博史は前料理長・佐藤治秀の指導を経て令和6年就任
4. 吉池旅館 — 神奈川・箱根湯本
一万坪の庭を抱く箱根湯本の宿で、和食料理長が国から調理業務功労者として表彰された。
Media Picks Score: 88 / 100 64室、庭園を囲む三棟構成の温泉旅館。
目安価格 ¥59,000–¥97,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
箱根湯本駅から徒歩七分、坂を上がると一万坪の池泉回遊式庭園「山月園」が広がる。本館・池の棟・山荘の三棟からなる六十四室のうち、およそ七割が庭に向く。この宿を厨房の側から選んだ理由は、令和元年十一月二十六日の一件にある。和食調理料理長・近藤正彦が厚生労働省で「調理業務功労者」として大臣表彰を受けた。この表彰は、常に第一線で調理業務に従事し、かつ指導的立場から調理技術の発展および調理師の資質向上に顕著な功績のあった者に贈られるものである。公式サイトはこれに先立つ神奈川県知事表彰も同じ欄に記録しており、継承の実務が公の場で二度評価されたことになる。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、この宿への評価は庭と湯と食が均等に立っている点に特徴がある。豊富な湧出量を背景に、六十四室すべての客室風呂へ温泉を給湯できるという構成が支持を集め、庭に面した客室からの季節の眺めが評価を底上げしている。秋は山月園の紅葉、春は桜の夜間開園と、庭そのものが献立と同じく季節で動く。一方、湯本の中心部からは坂を上がる立地であり、駅前の賑わいを歩いて楽しむ滞在とは動線が異なる。
向く人 / 向かない人
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向く:
庭を歩く時間を旅程に組める人、客室の風呂で温泉を使いたい旅、東京から二時間以内で和食の膳を目当てに動く週末旅 -
向かない:
駅前の商店街散策を主目的にする旅、平坦な動線を要する同行者がいる旅、小規模宿の静寂を最優先する人
具体情報
- 最寄り駅: 箱根湯本駅から徒歩7分(新宿駅から小田急ロマンスカーで約85分)
- 客室: 64室。本館・池の棟・山荘の三棟で、約7割が庭園向き
- 庭園: 池泉回遊式庭園「山月園」約一万坪。桜と紅葉の時季に夜間特別開園
- 湯: 全64室の客室風呂に温泉給湯が可能
- 厨房の記録: 2019年11月26日 和食調理料理長・近藤正彦が厚生労働大臣より「調理業務功労者」表彰(神奈川県知事表彰も公式に記録)
5. 湯元こんぴら温泉 華の湯 紅梅亭 — 香川・こんぴら温泉郷
有馬の重鎮に師事した料理長が二十年余、金刀比羅宮の門前で厨房を預かる。
Media Picks Score: 87 / 100 こんぴら温泉郷の中規模旅館。
目安価格 ¥60,000–¥88,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
金刀比羅宮の門前町に建つこの宿の夕食処「割烹ダイニング丸忠」は、三百年前の梁を用いた木造にモダンな意匠を重ねたつくりである。厨房を預かる料理長・武田利史の経歴は公式サイトに年譜として掲げられている。兵庫県尼崎市の県立高校を卒業後、十八歳で料理の世界へ。一九九八年、有馬温泉・中の坊で関西料理界の重鎮である大田忠道氏に師事し、二〇〇三年十一月に紅梅亭料理長へ就任した。二〇一〇年に第二十六回全国技能グランプリ「日本料理職種」で金賞(厚生労働大臣賞)、二〇二〇年に現代の名工、二〇二一年十一月に黄綬褒章。黄綬褒章の受章理由には、調理師関連学校や高校・中学校での後進育成が挙げられている。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、この宿は湯と食で評価の性格が分かれる。二種の泉質を巡る湯処と貸切風呂への言及が多く、家族連れやグループの利用が厚い一方で、丸忠の会席を選んだ層の評価は明確に高い。名物の山海宝楽焼は熱した石で牛肉と海鮮を焼く一品、醤豆腐鍋は自家製豆腐に三種の薬味を添えて客の前で取り分ける。入口のおくどで炊く讃岐「おいで米」も含め、供する手つきそのものを見せる設計になっている。宿の規模ゆえ、静寂を第一に求める旅とは重心が異なる。
向く人 / 向かない人
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向く:
金刀比羅宮の参拝と組む一泊、料理人の手元を見ながら食べたい人、湯を何種類も巡りたい旅 -
向かない:
客室食で完結させたい旅(夕食は食事処が基本)、館内の賑わいを避けたい一人旅、意匠の統一された小宿を求める人
具体情報
- 最寄り駅: JR琴平駅・琴電琴平駅から無料送迎(要予約)
- チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
- 食事: 割烹ダイニング「丸忠」の会席。名物は山海宝楽焼、醤豆腐鍋、おくどで炊く讃岐「おいで米」
- 駐車場: 70台・無料
- 厨房の記録: 1998年 有馬温泉・中の坊で大田忠道氏に師事/2003年11月 料理長就任/2010年 第26回全国技能グランプリ「日本料理職種」金賞(厚生労働大臣賞)/2018年 日本食普及の親善大使/2020年 現代の名工/2021年11月 黄綬褒章
よくある質問
Q. 「料理長の系譜」は、どのように確かめたのですか?
A. 選定にあたっては、料理長の就任年・修業先・受賞歴、あるいは家伝料理の由来が、各館の公式サイトに文章として掲載されていることを条件としました。五軒はいずれも、宿自身の言葉で厨房の歴史を記しています。厚生労働省の「現代の名工」や大臣表彰、全国技能グランプリといった公の制度に基づく記録も、あわせて照合しています。
Q. 味覚の秋に狙うなら、どの宿のどの時季ですか?
A. 新米と茸が揃う九月下旬から十月が、五軒とも献立の振れ幅が最も大きい時季です。箱根の吉池旅館は庭園の紅葉が重なる十一月が見どころで、兵庫の井づつやは十一月六日に始まる松葉蟹漁を待って十一月以降が本領となります。指宿と琴平は通年で気候が穏やかなため、混雑の谷を選ぶ旅程が組みやすいと言えます。
Q. 食事は客室で摂れますか?
A. 五軒で運びが異なります。いぶすき秀水園は夕食・朝食ともに客室または個室食事処と公式に案内しています。皆美館は会席と朝食を館内で供し、井づつやは食事処ごとに専用の厨房を備えた構成です。紅梅亭は夕食処「丸忠」での会席が基本となります。人目を避けたい事情がある場合は、予約時に確認するのが確実です。
Q. 送迎はありますか?
A. いぶすき秀水園はJR指宿駅との無料送迎バスを定時便で運行(要予約)、佳泉郷井づつやはJR江原駅から無料送迎バス(三日前まで要予約)、紅梅亭はJR琴平駅・琴電琴平駅からの無料送迎(要予約)を行っています。吉池旅館は箱根湯本駅から徒歩七分。皆美館は駅からの送迎を行っておらず、松江駅からタクシーまたはバスを使います。
Q. 「現代の名工」「黄綬褒章」とは何ですか?
A. 「現代の名工」は正式には卓越した技能者表彰といい、卓越した技能を持ち、新たな技術の開発や後継者の育成に貢献した者を厚生労働大臣が表彰する制度です。黄綬褒章は、業務に精励し他の模範となる技術や事績を有する人に授与される褒章を指します。いずれも個人の腕前だけでなく、技を次代へ渡した実績が評価の対象に含まれる点が、本記事の主題と重なります。
本記事の参考情報
・厚生労働省「卓越した技能者(現代の名工)表彰制度」 — 表彰の趣旨と選考の要件
・中央職業能力開発協会「技能グランプリ」 — 日本料理職種を含む全国大会の概要
・プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選「料理部門」 — 料理部門の順位と評価軸
編集部から
五軒を並べて見えてくるのは、庖丁を継ぐという営みが、必ずしも親から子への相伝ではないという事実である。初代板前長の考案を後任が書き写して守る宿があり、前料理長の下で十年余を過ごしてから代を継いだ宿があり、師と仰いだ人の名を年譜に刻む宿があり、渡す側の功績が国の表彰として記録された宿がある。血ではなく、作法が継がれている。味覚の秋、膳の前に座ったら、その一品がいつ誰の手で組み立てられたものかを一度だけ想像してみたい。厨房の年表を公にしている宿は、たいてい、その問いに答える用意がある。
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・若狭小浜、御食国の海辺に料理長が三代を継ぐ一軒 — 笹漬けと小鯛、夏至の海の献立
・飛騨高山と古川、夏の飛騨牛と宿儺南瓜を待つ食通宿五軒 — 匠の里に料理長を継ぐ宿の食卓
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・瀬戸内豊島と直島、夏の海老と讃岐穴子を待つ食通宿四軒 — 内海の島影に立つ料理長の宿