名旅館 花巻温泉郷
陸中台温泉、細い坂道に木造の自炊旅籠を継ぐ四軒 — 霜降の花巻に六百年の湯町を守る宿
霜降の花巻、台川の谷に延びる細い坂道。元中四年の開湯から六百年、木造の湯宿を継ぐ四軒を、湯と建物を主語に選んだ。
宿のかたち
代を重ね、土地の文化を受け継いできた宿
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名旅館 花巻温泉郷
霜降の花巻、台川の谷に延びる細い坂道。元中四年の開湯から六百年、木造の湯宿を継ぐ四軒を、湯と建物を主語に選んだ。
名旅館 塩田温泉
秋の長雨の午後、廊下の天井に浮かぶ細かな編み目。杉や檜の薄板を斜めに組む網代天井は、茶室から旅館の客間へ受け継がれ、和の座に柔らかな翳りを与えてきました。材と寸法、真行草での位置づけ、張り替えの労を辿ります。
名旅館 岐阜県
宮川の朝市に走りの飛騨りんごが並ぶ頃、江戸の町割りを残す高山の城下へ。昭和九年創業の田邊、越後から移した木組みのあすなろほか、代を継ぐ名旅館五軒を建物と湯を主語に選んだ。
名旅館 城崎温泉
床の間の脇に二枚の棚板を段違いに架ける違い棚。間口一間、棚雛形四十八種という定型を持つこの座敷飾りが、なぜ無言のうちに客室の格を語ってきたかを、書院造から数寄屋への継承として辿る随筆。
名旅館 岐阜県
二〇二六年の郡上おどりは七月十一日から九月五日までの三十夜。江戸期の藩校跡に建ち、木造の造作と用水の作法を今に残す柳町の料理旅館・備前屋を、処暑の城下町から一軒だけ記す。
名旅館 有馬温泉
慶雲二年開湯の慶雲館から、鎌倉期創業の御所坊、仙台藩の湯守を継ぐ佐勘まで。創業四百年以上を公式に明示する湯宿五軒を、長月の候に全国から選んだ。創業年と代数、木造建築と源泉の来歴をたどる。
名旅館 修善寺温泉
旅館の座敷が庭や池へ張り出す「月見台」は、仲秋の一夜に月へ席を設けるための場所として造られてきた。桂離宮古書院の寸法を手がかりに、佐賀・武雄「御宿 竹林亭」と伊豆修善寺「柳生の庄」の露台から、月を待つ建物の作法を読む。
名旅館 山形県
講とは、参詣の元手を積み立てた共同体である。代参と先達を伴って社寺へ向かった人々は、行き先に決まった一軒を持っていた。相模大山の先導師旅館 古宮と、出羽三山手向の宿坊 大聖坊。玉垣と代々受け継がれた名に残る、宿と講中の永い縁を辿る。
名旅館 温泉津温泉
秋の長雨が石畳を濡らす頃、温泉津の湯町は湯気を低く抱く。石見銀山の銀を積み出した外港の町で、廻船問屋から旅館へ転じ、明治四十三年から木造三階を守り継ぐ「旅館ますや」を訪ねた。七室の料理宿の記。
名旅館 龍神温泉
和歌山県田辺市龍神村、日高川上流の渓に建つ下御殿。寛永十六年(1639年)、紀州藩主・徳川頼宣の命により藩費で建てられ、宿名も藩主から賜った一軒。十七室と日本三美人の湯を、晩夏の高野龍神スカイラインとともに辿る。