名旅館 有馬温泉
創業四百年を越えて代を継ぐ老舗の湯宿五軒 — 長月に暖簾が語る歳月と湯守の系譜
慶雲二年開湯の慶雲館から、鎌倉期創業の御所坊、仙台藩の湯守を継ぐ佐勘まで。創業四百年以上を公式に明示する湯宿五軒を、長月の候に全国から選んだ。創業年と代数、木造建築と源泉の来歴をたどる。
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慶雲二年開湯の慶雲館から、鎌倉期創業の御所坊、仙台藩の湯守を継ぐ佐勘まで。創業四百年以上を公式に明示する湯宿五軒を、長月の候に全国から選んだ。創業年と代数、木造建築と源泉の来歴をたどる。
離れ 仙石原
仲秋の箱根仙石原で、母屋から離して棟を構える宿を一軒。明治三年創業の仙郷楼は、大涌谷から引いた白濁の強酸性泉を完全放流式で注ぎ、庭の奥に木造平屋・数寄屋造りの離れ六室を置きます。芒の原の見頃に合わせ、庭と湯と膳から辿ります。
離れ 谷川温泉
梅雨の朝、障子を引くと板間が湿りを帯びている。柱と障子の間に細く渡された縁側は、客間を取り巻きながら、外気と室内の境界を曖昧に保ってきた装置である。群馬・別邸 仙寿庵と神奈川・箱根 弓庵の縁側を参照しつつ、建築史と作法の両面から論じる。
名旅館 箱根
番頭は明治の宿屋取締規則以降に呼称が定着し、戦後の旅館経営でも経理と渉外の両輪を担った職能である。家業継承を続ける三軒の老舗旅館を実例に、玄関に立ち続けた者が宿の記憶をいかに編んできたかを辿る。湯守・宿帳に続く職能論の三作目。